強迫性障害とは
本人は無意味とわかっていても決まった行動を繰り返してしまい、日常生活が阻害されてしまうのが強迫性障害です。
これは、強い不安やこだわりなどが日常生活にも影響を及ぼしている状態で、自分の意思に反すると理解はしていても、不安や悪いイメージが頭に浮かんでしまい、それを抑えようとして強迫行為を繰り返さずにはいられなくなる状態です。
同症状は常に不安が根底に存在していることから、不安障害のひとつにも数えられています。
なお強迫行為とは、具体的には外出時に玄関の鍵やガス栓などを閉め忘れてないかを確認する為に家に何度も戻ってしまう、あるいは汚れを恐れて手を繰り返し何度も洗い続けるといった行為、不吉な数字やジンクスを気にするなどです。
強迫性障害の代表的な例
- 汚れを恐れて何度も手洗いや洗濯、入浴などを繰り返す。
- 何度も何度も窓や玄関のカギ、ガス栓、電気器具のスイッチなどを確認する。
- 誰かに危害を加えたのではないかと心配になり、通って来た道を戻って確認する。
- 自分の決めた回数や手順に沿って物事を行わないと不安になり、それに従い数が増えていく。
- 自分でもおかしいと思うが止められない
抑うつ状態になることも
発症に関しては、前触れなく起きることが少なくありません。強迫行為がエスカレートすると抑うつ状態になることもあります。原因については、完全に解明されたわけではありませんが、神経伝達物質のひとつであるセロトニンの機能障害が注目されています。
疫学的には50~100人に1人が、一生涯のうちに一度は強迫性障害にかかると言われています。男女比はほぼ同等、発症年齢は、平均して20歳前後で、男性患者の方が早い年齢で発症する傾向にあります。
女性は、結婚や出産など生活の変化を機に発症するケースも見られます。
治療について
薬物療法が基本で抗うつ薬が有効とされていますが、その他にも抗不安薬などを使用することがあります。また、認知行動療法を治療と平行して用いることが効果的とされています。