思春期外来
思春期外来のホームページにようこそ。
ここでは、だいたい中学生や高校生の人が読んでくれることを想像して書いています。
くくるケアクリニックの思春期外来に来てくれる人は、「なんか、もやる」「自分と家族がちょっと微妙」
「なんとなく自分だけうまくいかない」といった、気持ちのわるさに気が付いた人が多いです。
他にも「朝起きられない」「スマホやゲームがやめられない」「手洗いやカギ閉めに時間がかかる」
といった自分でもなんともならない日常生活の不自由さが出てきた人も来てくれます。
「学校になんか行けなくて単位がヤバい」や「万引きで捕まっちゃって」とか今まさにトラブルに直面している人があわてて来ることもあります。
このクリニックで行うことは、まず問題の背後に大きな病気が「うひひ」とかくれて悪さをしていないか検査をします。(採血もする時があるかも・・)病気が見つかったら、もちろん治療開始です。
その病気がとくいなお医者さんのところへ、行ってもらうこともあるかもしれません。
検査はいろいろあって、
何かを描いてもらったり、アンケートみたいなのに答えてもらったり、さまざまです。
心理検査とよばれています。その検査をした後に1回20-40分くらい先生に会ってください。
何もしゃべらなくても大丈夫です。ずっとスマホしてもいいですよ(笑)
なぜなら、大事なことは、大事になればなるほど、かんたんにしゃべれないって、先生が思っているからです。
「この先生だったら、まぁ話してみようかな」って気になったら、その時に話してください。
ちなみに、先生には「守秘義務」というものがあって、君の話を君の許可なく家族や学校には絶対しません。秘密です。
ただし、一個だけ例外があって「このままでは君の命が守れない」と先生が判断したときには君の命を優先します。
後ではちゃめちゃに君に怒られるかもしれませんが、君の命の方が、君の秘密を守ることより大事です。
たとえどんな理由があっても絶対に先生は自殺をみとめません。
診察について
君が先生と会っているときに、先生が話をききながら最初にするのは「君と似ている人探し」です。
君と似た環境でそだち、似たタイプの脳をもち、似た問題をかかえていた人はきっといるはずです。
世界は広いから。
君と似ているその人たちを「うまくいった」「うまくいかなかった」「変わらなかった」の3つにざっくりと分け、どういうタイミングでなにをしたら、どうなりそうか、似ている人たちのその後をみながら予想を立て、君と一緒にこの後どうしようか、と考えていきます。
そうやって話をしていると、不思議なことに、君が今困っていることが、悪者じゃなくて、君の人生に必要になって出てきているって気がつく時が時々あるんです。びっくりします。
白雪姫が毒リンゴを食べてこんこんと眠らなかったら、どうなったでしょうか?もしかすると白雪姫は、王子様と結ばれずに、意地悪なママハハ女王の介護を一人でこなしながら生活と人生をうらんで、ひっそり孤独に死んでいったかもしれません。
そんなことを考えると、毒リンゴがバットアイテムじゃなくってホーリーアイテムに見えてきたりするので、とても困ります。毒リンゴは毒だけど、食べたらなんやかんやで幸せになったりするんですから、困りますね。。
というわけで、診察中、基本先生はずっと困ってます。
そして困ったときには、君の話を聞きながら、いろいろ提案します。
例えば、先生の部屋にある「箱庭療法」というものをやってみたり学校の先生に手紙を出して保健室登校ができないかお願いしたりする(配慮申請)他の病院で受けられる発達検査を依頼したり(ウェクスラー式知能検査)直接君のお家に話を聞きにいったり(みなし訪問看護)引きこもりがちな人が勉強できる塾や、オンライン出席ができる学校や、じっくり話を聞いてくれる専門の大人の人に紹介したり(資源調整)いろいろです。
番外編になるとクリニックの中で宝探ししたり、イタズラカード作ったり、笛を吹いて遊んだこともあります。われながら「ずいぶん悪手だなぁ」とは思いますが、その時々はいたって真剣に考えているので、ゆるしてください。
思春期外来担当 奥野
所属学会 日本精神科救急学会
日本児童思春期精神医学会
日本箱庭療法学会
日本多機能型精神科診療所研究会